シリーズ:「既存不適格」の基礎知識と見つけ方

建築基準法

【第3回】既存不適格の見つけ方~「ビル診断」3つのステップ〜

はじめに

ビルの設計者や所有者を悩ます「既存不適格」。建物のリニューアルや用途変更の際に、改修が必要だったりなかったり・・・。

シリーズ最終回となる今回は、実際の建物を調べて既存不適格となる部分を見つける具体的なステップをご紹介します。

この調査は、人間でいうところの「健康診断」と同じです。適切なビル診断(建物の調査)を行うことで、建物の現在の法的な健康状態を正確に把握することができます。

実際の建物を調べてみよう!「ビル診断」3つのステップ

(※今回は、過去に検査済証の交付を受けている建物を想定しています)

調査は大きく分けて「準備」「現地調査」「机上調査」の3つのステップで進めます。

ステップ1:準備

まずは建物の基礎的資料となる「確認申請図書」や「竣工図」を用意します。

もし竣工後に改修等を行っている場合は、その改修時の図面等も忘れずに用意してください。

この準備の段階で、確認年月日がいつかを確認し、前回ご紹介した法改正履歴と照らし合わせて「現在の法律と照らし合わせた時、どこが既存不適格となりそうか」の当たり(懸念事項)をリストアップしておきます。

ステップ2:現地調査(実際の健康診断)

用意した図書をもとに、実際の現地の状況を隅々まで確認します。

「図面通りに造られているか」「無断で増築されたり、用途が変わったりしていないか」など、図面と現況のズレを細かくチェックしていきます。

この現地確認の際に、「図面の有無」が重要になってきます。

現状が「当初から変わっていないか」、変わっているなら、「いつ、どんな風に変わったのか」が分からないと、「既存不適格」なのか「不適合」なのか正確にわかりません。そうなると、報告書では「不明」という判定になってしまいます。

ステップ3:机上調査(診断結果の分析)

現地で確認した内容を持ち帰り、机上にて詳細な法適合状況を確認します。

現在の建築基準法と照らし合わせ、問題となる箇所を特定していく最も専門的な工程です。

「既存不適格」か「不適合(違法)」かの分かれ道

図面等が揃い、いつ、どのように、現状の姿となったかが分かったとします。

そのうえで、各条文と現状を照らしあわせ、現行法に適合しないについて、「既存不適格」「不適合(違法建築物)」のいずれかに分かれます。

基本的に、新築時に完了検査を受けて「検査済証」の交付を受けており、その後、違法な改修等がなく(または適法に改修がなされており)、純粋に法改正によってのみ基準に適合しなくなってしまった部分だけが「既存不適格」となります。

それ以外の理由で基準を満たしていない場合は「不適合」となってしまいます。

まとめ

既存不適格を正確に見つけるための「ビル診断」や「既存建築物の現況調査」には、準備段階での確認年月日の特定、懸念事項の洗い出し、現地と図面の精緻な照合、そして机上での法的な判断という非常に専門的なプロセスが必要です。

「古いビルを所有しているが、どこが法律に適合して、どこが不適合か分からない」

「用途変更を計画しているが、既存不適格の調査方法が分からない」

ご自身の所有するビルや建物、計画中のプロジェクトに少しでも不安がある場合は、ぜひ建築基準法のプロフェッショナルであるi’mknotにご相談ください。

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